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テレワークにおけるメンタルヘルス対策

働き方改革の推進や新型コロナウイルスの影響により、近年、テレワークが急速に普及しました。

通勤の必要がないテレワークは、ストレスを軽減できるとされていますが、長期間にわたる自宅勤務は、メンタルヘルス不調に陥ることがあるようです。

労働政策研究・研修機構の「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査結果」によると、テレワークのデメリットとして、「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」「長時間労働になりやすい」との回答が多く挙がっているようです。

引用/労働政策研究・研修機構「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査結果」

 

テレワークにおけるメンタルヘルス不調の要因

 

テレワークは、働く場所や時間に制限を受けず、ワークライフバランスの改善や、育児や介護などの両立が容易になるなど、柔軟な働き方を実現できる利点があります。また、オフィスの規模縮小やペーパーレス化の導入により、経費削減も可能です。

しかしながら、テレワークにはメンタルヘルスに悪影響を与える可能性もあります。テレワークによって、以下のようなストレス要因が生じる場合があります。

 

1.勤務時間の変化からのストレス

オフィスで働く場合、定められた時間に休憩をとったり、仕事を終えたりするのが通常です。テレワークに移行しても、多くの企業では基本的な働き方が変わらないと思われます。

しかし、一部の企業ではテレワークを機に、社員が業務の進め方を自由に決めることができるようにしている場合があります。

このような働き方は自分のペースで仕事を進めることができますが、休憩や作業終了のタイミングがあいまいになる可能性があります。夜遅くまで仕事を続けたり、休日にもPCを開いて仕事をしたりすることが起こりえます。

長期にわたってテレワークを行っていると、オンとオフの切り替えが難しくなり、慢性的な睡眠不足や疲れがたまることがあります。その結果、社員のメンタルヘルス不調につながる可能性があります。

 

2.コミュニケーション不足からのストレス

テレワークでは、コミュニケーションは主にメールや電話、ビデオ通話が中心となります。それにより、オフィスで業務を行うときと比べて、雰囲気や空気を感じ取りづらく、場合によってはコミュニケーションが難しく感じることがあります。加えて、声を掛けづらくなるため、ちょっとした雑談や相談がしにくい場合もあります。

このような状況は、人によっては孤独感を感じることもあります。とくに新入社員などは、職場での人間関係を十分に構築できないままテレワークを行うと、強い不安を感じる可能性があります。また、コミュニケーション不足によるストレスから、メンタルヘルスの不調を引き起こすこともあるため注意が必要です。

 

3.就業環境からくるストレス

自宅など、日常生活を送る場でテレワークをおこなう場合、家族が近くにいることが原因で業務に集中できず、作業効率が低下することがあります。

また、周辺辺機器やデスクなどの作業環境が不十分で腰痛などを引き起こしたり、運動不足に陥ったりするなど、身体的な不調を起こすケースもみられます。

このように、就業環境の変化にスムーズに適応できないと、精神的にも肉体的にもストレスを感じることがあります。

 

テレワークのメンタルヘルス対策

Step1.状況を把握して予防する

メンタルヘルス対策をおこなうにあたり、企業側はまず状況を把握することが重要です。全従業員に対してアンケートやヒアリング、ストレスチェックなどを行い、従業員の声を聞くことが大切です。その上で、問題点を把握し、改善策を検討します。

また、eラーニングを利用したメンタルヘルスケアに関する研修を実施したり、産業医や保健師などにオンラインで相談できる窓口を設置することで、従業員がメンタルの不調を感じた場合には早期に対処することができます。従業員のメンタルヘルスを守るためには、予防策が欠かせません。

 

step2. 早期発見と的確な対応

従業員の中には、既にメンタルヘルスに不調をきたしている人もいます。そうした場合には、早期に発見し、適切な対応を行うことが大切です。上司との面談や日誌の提出などを通じて、従業員の不調に気づけるように、適切な体制を整えます。小規模な事業所では、地域産業保健センターなどの外部支援も利用することができます。

また、従業員の家族にも、理解や協力を求めることが有効です。このステップでは、従業員一人ひとりの状況に合わせて柔軟に対応することが必要です。休業や時短勤務など、従業員の心身の状況に合わせた適切なケアを行い、職場復帰への支援を行いましょう。

 

Step3. メンタルヘルス回復へのサポート

万一、従業員がメンタルヘルス不調によって休業する場合、復帰後も安心して働けるよう支援することが必要です。専門家のアドバイスをもとに、職場復帰に向けたプログラムを整備し、従業員のメンタルヘルス回復をサポートしましょう。面談の頻度を増やしたり、産業医やカウンセラーによる支援を提供することも考えられます。また、対象となる従業員の状況に応じて、オンラインだけでなく対面での面談も有効な場合があるので、柔軟な対応が必要です。

 

 

 

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