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多様な正社員

多様な正社員とは

多様な正社員とは、従来の正社員とは異なる雇用形態であり、勤務地、職務、勤務時間が限定された正社員を指します。

従来型のいわゆる「正社員」は、 ①労働契約の期間の定めがない、②フルタイム、③ 直接雇用の要素も満たす労働者です。

多様な正社員を導入することで、従業員の多様なライフスタイルやワークライフバランスの実現を可能にし、企業側も人材確保や定着につながるメリットがあるため、近年注目されています。

 

多様な正社員例

1.勤務地限定正社員

勤務地限定正社員とは、通常の正社員が全国転勤をするものである場合に、勤務地だけを限定する正社員です。

地域限定型、地区限定型、事業場限定型があります。たとえば、東北6県に限定する地域限定型や、居住地から通勤可能な事業場に限定する地区限定型、支店限定にする事業場限定型があります。

 

2. 職務限定正社員

職務限定正社員とは、通常の正社員が総合職として働く場合に、職種・職務を限定する正社員のことを指します。

例えば、営業職に限定する場合やシステム開発に限定する場合、事務職に限定する場合があります。

 

3.勤務時間限定正社員

勤務時間限定正社員とは、通常の正社員の勤務時間よりも少ない勤務時間で働く正社員のことを指します。

例えば、正規の勤務時間が9:00から18:00の会社で、勤務時間を9:00から16:00に限定する場合があります。また、勤務時間は同じでも時間外労働や休日労働を免除する限定という場合もあります。また、シフト勤務などで勤務時間帯や勤務曜日を限定する方法もあります。

 

限定正社員を導入するメリット

1.優秀な人材の確保・定着につながる

家庭の事情や体調の問題でフルタイム勤務が難しい人材を、柔軟な働き方で雇用することで、優秀な人材を獲得・定着させることができます。

企業にとって、多様な人材を活かすことが競争力向上につながるため、多様な働き方を導入することは必要不可欠です。

 

2.多様な人材を受け入れ、活用できるようになる

多様な人材を雇用することで、人材の幅を広げることができます。

例えば、地域に根ざしたサービスを提供する場合、その地域に密着した人材を雇用することができます。また、柔軟な働き方を認めることで、フルタイムで働けない人材や、ライフスタイルに合わせて働き方を選びたい人材を雇用することができます。

 

3.人材流出を防ぎ、技術・ノウハウの蓄積ができる

限定正社員を採用することで、優秀な人材の流出を防ぐことができます。

また、一定期間同じ企業で働くことによって、技術やノウハウを蓄積することができます。企業にとって、技術力を維持し、アップデートすることが競争力の維持につながるため、限定正社員を導入することは重要です。

 

4.ワークライフバランスの実現

限定正社員は、個人の事情やライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を認めることができます。

育児や介護、体調不良などの理由で、フルタイムで働けない人材も、限定正社員として雇用することで、安定した雇用環境を提供することができます。ワークライフバランスの実現は、従業員のストレスや疲労感を軽減させるため生産性の向上につながります。

 

多様な正社員を活用する際の雇用管理上の留意事項

多様な正社員を活用するにあたって、雇用管理に留意する必要があります。以下に、多様な正社員を円滑に導入・運用するために企業が考慮すべき留意事項を7つ紹介します。

1.労働者に対する限定内容の明示

転勤や配置転換に関するトラブルを未然に防止し、また労働者のキャリア形成の見通しを明確にするために、勤務地や職務に限定がある場合は限定内容を明示する必要があります。

 

2.多様な正社員への転換制度の設置

非正規雇用の労働者が多様な正社員へ転換することで、雇用の安定やキャリアアップを促進し、企業にとっても優秀な人材の確保が期待できます。また、正社員から多様な正社員への転換制度も設置することで、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現や人材定着にもつながります。

 

3.正社員と多様な正社員の均等な待遇

正社員と多様な正社員の間で待遇に差異が生じることを避け、モチベーションを維持するために、均等な待遇を設けることをおすすめします。

 

4.正社員の働き方の見直し

多様な正社員を活用しやすくするために、正社員の働き方(所定外労働や転勤など)を見直すことをおすすめします。

 

5.人材育成・キャリア形成の支援

職業訓練機会の提供や実践的な教育訓練の支援を通じて、労働者の職業能力の習得と中長期的なキャリア形成を支援することをおすすめします。

 

6.制度設計・導入・運用時の労使コミュニケーション

多様な正社員を円滑に導入・運用するために、制度設計・導入・運用の際には、労働者に対する十分な情報提供と協議を行うことが必要です。

労働者とのコミュニケーションを重視することで、制度の受け入れや運用に対する理解と協力を促し、多様な正社員の活用を推進することができます。

 

7.事業所閉鎖や職務廃止に対する対応策

勤務地や職務の限定があっても、事業所閉鎖や職務廃止の場合には解雇が有効となるわけではありません。

事業所閉鎖等に直面した場合には、配置転換などの解雇回避の措置を可能な範囲で行うことが求められます。企業と労働者が協力して解決策を模索することで、社会的責任を果たし、雇用の安定化につながることが期待されます。

 

引用参考/厚生労働省サイト

 

 

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